まだクリアしていないくせに、GEBのネタバレあり。
ソーマはツンデレキャラなのに、私の書くソーマにはツン度が足りない。と、最近気がつきまして。
よし、ソーマのツン話を書くぞ!と意気込んだらなぜかリンドウ氏のヤンデレ話になりました。あれー?
それ、お前の恩人だよ!と言う突っ込み可。
始めて会った時から、なんだか気にかかる奴だった。子供の癖に冷めた目をして、感情を殺した声で話す。
戦う強さばかり高くて、心はてんで成長してない。
同情ではなく好奇心でもなく、俺は俺のために、その子の笑顔が見たくてちょっかいをかけた。
初めはからかい、次いで撫で回し、次第に彼が心を開いていくのを、俺はどんな想いで見つめていた事か。
6年だ。
言葉にすると短いが、実際かなり長い時間を、俺は彼を開く為に努力した。
大切で愛しくて、可愛くてたまらなかった。
ほんのたまに見せる彼の笑みは、俺の努力が無駄ではなかったと、そう教えてくれた。
そんな時だ。
まぁ俺も悪かったのだろうが、任務の最中、俺はアナグラに帰れない状況に陥った。
記憶は曖昧で途切れ途切れなのだが、どうもアラガミ化しかかって彷徨っていたらしい。
新型と俺の神機によって俺は無事生還を果たす事になったのだが……久しぶりにあった彼は、ずいぶんと雰囲気を変えていた。
有体に言えば、柔らかくなった。大人になったと、言ってもイイ。
【俺の、いない、間に】だ。
笑って欲しいと、安らいで欲しいと、幸せになって欲しいと、確かに望んでいた。
だがそれを彼にもたらすのが自分ではなかった時、胸中を占めたのは喜びではなく、身を焦がすような嫉妬。
6年かけて築き上げたものを、たった数ヶ月で塗り替えた存在。
その憎らしい思い出を、優しい目で俺に語るお前。
ああ、本当に、彼を。この手で壊してしまえたら、楽になれるのだろうか。
「お前さ、俺には心開くまで時間かかったくせに、そいつの事はずいぶん簡単に受け入れたんだな」
「……は?」
「少し…妬ける」
「………だろ」
「ん?」
「お前だろうが、俺に、心の開き方…教えたのは」
「………っ!?」