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 でも義王は出てきてません。
 壇→七代が親友状態の話。



「俺さ、義王と付き合う事にしたから」
 2月の半ばを過ぎ、まだかなり寒いと言うのに屋上で昼食を二人で食べた後。お手製のコーヒー牛乳を一口飲んでから天気の話でもするように七代は言った。
「は…あ??」
 呆然と七代の顔を覗き込めば、よほど間抜けな表情をしていたのか楽しそうな笑みを向けられる。
「…ぎ、義王『に』付き合う事にした?」
「違う。義王『と』付き合う事にした」
 男と恋人になったと言う爆弾発言を、親友は涼しげな表情で言い放つ。どう反応していいのか判らず、壇は「何で」とだけ言った。
「んー俺は別に友人でも良かったんだけどさ。義王はそれ以上が良かったみたいだし」
「求められれば何でも良いのかよ、お前は」
 七代は笑って首を振った。
「嫌、だって、義王可愛いから」
 壇はため息を吐いた。
「お前にとっちゃ何もかもが可愛いんだろうがよ」
「そんな事ないぞ。それに俺の事を手に入らない宝扱いしたり、肩を並べて歩きたいとか可愛い事いわれちゃうとなぁ…応えてやるぜ!こんちくしょう!って思うだろ?」
「思わねぇよ」
 壇の突込みにも、七代は楽しそうに笑っている。
「とにかく可愛かったし、男同士のセックスも悪くは無かったし、まぁいいかなって…」
 あまりのカミングアウトに、壇は思わず飲みかけていた炭酸水を噴出した。
「な、ゲホ、おま…、もう」
「へ?ああ、もうヤッたよ。思ったより気持ちよくって驚い……」
「聞きたくねぇ!男同士の詳しい話なんざ!」
 壇の激しい拒絶に、七代は目を瞬かせる。
「そっか?」
「そうだ。しかし…惚れた弱みとはいえ良くまぁあの義王が女役なんてやったな」
 そんな事する位なら舌噛んで死にそうなタイプに見えたのだが。
「何言ってんだ?俺が女役やったんだよ」
「あーなるほど……って、ええ!?」
「なんだ?何でそんなに驚くんだ」
「だってお前、義王の事可愛いって…」
「可愛いぞ?だからこそそんな可愛い子に、精神的にも肉体的にもダメージの大きそうな受身なんてさせられねぇだろ」
 あくまでも当たり前のように自然体で言われて、壇は肩を落とした。
「お前、男のプライドはねぇのかよ」
「この程度でへし折れるような、安いプライドは持ち合わせてねぇな」
 参った、と壇は思う。それから、外見はともかく中身が漢の中の漢である彼に惚れた義王に同情すら覚える。
 追いかけるのも一苦労なのに、肩を並べようなんて…無謀すぎる。
『苦労するぞ、お前』
 脳内の義王にそっと手を合わせ、それから残っていた炭酸水をグイっと煽った。

 この親友に惹かれながらも、それでも友情に踏みとどまった自分に、拍手喝采を送りたい。

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 初めは義王と七代が付き合ってると知って、七代への想いに気付く壇の話にしようかと思ったのですが、壇が可愛そう過ぎて書けませんでした。
 しかし本当に…我が家の七代に可愛げ皆無ですな。こんな受で良いのだろうか(我が家のジュブナイル受主人公は全員こんな感じですが)。
プロフィール

アサ

Author:アサ
二次創作を吐き出すブログ。
男同士や男女や女同士の恋愛を扱う物が多いです。
苦手な方はお気をつけ下さい。

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