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タイトルまんまの話。


 教室には気詰まりな空気が流れている。
 冬の休みに入って直ぐ、転校してきたばかりのクラスメートが死んだ。
 事故なのか病気なのか…他の何らかの要因があったのか、詳しくは教えられなかったけれど。
 突然他校の襲撃を受けたり、政府から妙な召集があったりとキナ臭さの消えない男だったが、妙な人懐っこさで友人やファンが多かったようだ。
 クラスの問題児の壇や大人しい穂坂、隣のクラスの生徒会長などと特に仲が良く、よくつるんでいるのを見かけていた。
 校外での目撃情報によると、他校にも濃い友人が沢山いたらしい。
 彼が転校して来て一年も経っていないのに、彼がいない教室は不思議と空々しい。
 よほど彼の死がショックだったのか、最近は真面目に学校に来ていた壇は、新学期からは学校にほとんど顔を出さなくなった。穂波は学校には来ているけれど、いつもぼんやりとして目元を赤く染めている。いつも学校中を走り回っていた飛坂の活気のある声も聞こえなくなり、学校中が火が消えたように静かだ。
 遅刻の多かった担任は最近はちゃんと朝から顔を出すけれど、焦燥しているのが人目でわかる顔色だ。彼女が空元気を振りまいても、それについていける者がいない。
 そして、なぜか。担任と壇と穂坂の間で妙な緊張感が生まれた。目を合わせない、会話をしない。担任が歩み寄ろうとする素振りを見せても、壇達がそれを拒んでいるように見えた。

 一度クラスメートの一人が、穂坂と担任の会話を聞いた。担任の言葉は聞こえなかったが、穂坂の方が「先生が悪くない事はわかっているんです。でも…ごめんなさい」そう涙声で言っていたらしい。
 そのおかげで転校生の死には担任が係わっていると言う噂まで流れた。事実を知っている者達は皆が口を噤んでいる為、あくまで噂でしかないのだが。

 どうせ卒業までの辛抱だ。在校生に悪いが、そんな風に考えている。
 三年間過ごした学校が、今はなぜか酷く余所余所しく感じた。



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 あの封印エンドの時、実はバディに壇とお頭を連れて行ってました。なんつーかあの事実を知ってしまえば、先生は何も悪くなくても気まずくはなりそうだなーとか、あの後あの友人達はどんな想いだったのかなーとか。
プロフィール

アサ

Author:アサ
二次創作を吐き出すブログ。
男同士や男女や女同士の恋愛を扱う物が多いです。
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