プレイヤーが義王に落ちた記念。
最初はどうしようもない馬鹿だと思った。次にはそんな馬鹿な所が可愛いな、なんて思った。
年下だとわかって納得したり、頭を追い落とされても砕けない強さに驚いたり。
裏切った部下に対しての度量と男気、そして義理堅さ。死を突き付けられた者に対する、けして引かないぶっきらぼうな言葉。
見ている内に、惹かれて行く自覚は、確かにあったのだけれど。
「こうなる事は、予想外だった」
シーツに突っ伏したままに漏らした言葉に、傍らに座る男は「あー?」と声を返す。
「なんだよ?」
「なんでもない」
求めて来た時、相手は確かに強引だったけれど、拒もうと思えば拒めたのだ。総合的な実力は己の方が強い。
なのに、拒めなかった。ギラギラとした野性の獣のような、欲望に滾った眼に飲み込まれたように動けずに…気がついたらこんな状態と言う訳だ。
体中が熱を持ったように熱いしだるいし、先ほど受け入れさせられたあらぬ場所はジンジンとしびれて未だ何かが入っているような気がするし。
こんな事になるつもりは、一切無かったと言うのに。
「おい、何ボソボソ言ってんだ?言いたい事があるんだったら、ハッキリ言えよ」
ペシペシとむき出しの背中を叩かれる。言いたい事なら山ほどあった。聞きたい事も、話したい事も。
だが、その為には顔を上げなければいけない。今は、それが何よりも難しい。
きっと今顔を上げれば、赤く染まりながらも幸せに崩れた表情を見せてしまう事になる。
ただでさえ自信家の義王を、これ以上付け上がらせる訳には行かないのだ。
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初鬼祓がまさかの義主のまさかの完全両想い。義主を探したら義→主しか見つけられなかったので勢いで書いてしまった訳ですが。
プレイヤーである私が義王に惚れ過ぎたのが敗因かと。
現在まだ8話のダンジョン中なので義王仲間になっていないのですが、今後の義王によってはこの話直すか下ろすかします。