旧サイトから。
18禁です。
壁に手を当てて腰を突き出すような格好にされ、後ろから貫かれる。
痛みより快楽の方が強くて、ニクスは喉の奥で声を殺す。
そっと優しい手が髪を撫で、露にしたうなじに口付けを落とした。
止めてくれと、叫びそうになる。
この陽だまり邸は確かにしっかりとした造りだが、静まり返った夜中に声を上げれば、他の部屋にも聞こえるだろう。それを考えれば拒絶の言葉を漏らす事も出来ず、ただ唇をかみ締める。
「ニクス」
普段の彼からは想像もできぬほど、甘く優しい声が耳を掠めた。
「ニクス……」
名を呼ばれるのは、苦痛だ。優しくされるのも……愛を、囁かれるのも。
自分にはそんな価値はない。そんな資格はない。
抱くのならば、酷く抱いて欲しい。贖罪のように。
「ニクス、好きだ…好き、だ」
激しくなる動き、高まっていく熱。
局部に含んだ彼の雄が限界に膨れ上がり、そして一気にその熱を奥へと叩きつける。
同時に始めたニクス自身から溢れたモノが、ニクスの欲望に纏わり付いていた彼の手を汚した。
行為が終わった後、彼は何も言わず濡れたタオルでニクスの体を清め、そっと夜着を着せ掛けた。
「ニクス、俺は、謝らないから」
真っ直ぐな彼の目が、だが少し揺れている。謝りはしなくても、悔やんではいるのだろう。
彼は悪くないのに、と、ニクスは思う。
好きだと告げられ、拒めなかったのは自分。この穢れた身で彼に抱かれ、彼を汚した自分の方こそ、罪深いと言うのに。
「謝る必要なんて、ありませんよ」
だから、言う。笑みすら浮かべて。
「私も楽しみましたから、お互い様でしょう」
わざと蓮っ葉な、彼を傷つける言葉を選んで。
彼は狙い通り、傷ついたように目を伏せた。
再び開かれる彼の口から、漏れる言葉を待つ。
どうか。
どうか優しい言葉は紡がないで。
口汚く私を罵ってくれ。
そうでなければ、何も知らぬ彼の好意に縋ってしまいそうだ。
穢れたエゴイストの自分に、これ以上卑怯な罪を重ねさせないでくれ。
レイン×ニクスです。
レインの名前は出ていませんが、相手はレインです。