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旧サイトから。
弁慶神子。




薬草を煎じて薬を作っている時に、ふと視線を感じて顔を上げる。
ジッと見つめてくるのは、白龍の神子。その真剣な眼差しは、だが弁慶の想像を裏切って手元ではなく弁慶の顔に据えられていた。
「望美さん?」
「はい?」
「その…見ていて楽しいですか?」
「はい!」
勢い良く望美が頷く。
「弁慶さんの顔って、目の保養だと思います」
「そうですか?」
複雑な顔になる弁慶に気付かず、彼女はニコニコと笑った。
「美人は三日で飽きるって言いますけど、あれは嘘ですね。私、弁慶さんの顔見飽きませんから」
真っ直ぐな賛辞になんと答えて良いのかわからず、戸惑いの表情のまま弁慶はありがとうございますと返した。
「ですが、僕よりヒノエやリズ先生の方が、整った顔をしているじゃありませんか?」
それは正直な考えだ。リズは恐ろしいほど…それこそ人間離れした美貌を持っていたし(半分は隠しているが)ヒノエだって黙って立っていれば相当な美少年なのだ。
だが望美はその弁慶の言葉に眉を寄せ、首をかしげてから
「でも私、弁慶さんの顔が一番好きです」
ああ、参ったな。
瞬間呆然とした弁慶の心に浮かんだのは、その言葉。
この少女の、この真っ直ぐな視線。真っ直ぐな好意。
誰も信じきれない自分を、追い詰めていく彼女の全て。
調子を崩されそうで、それが怖くて、弁慶はわざと楽しげな笑みを浮かべてみせる。
「僕も、望美さんの顔が大好きですよ」
途端に真っ赤になった彼女が愛おしくて……それでも彼女を利用するであろう自分がわかっていたから。
「もう、知りません!そうやって私が真剣に言っても、からかってはぐらかすんだから!」

だから、軽い口調に本心を、ほんのり滲ませる事しか、出来ないのだ。

「本当ですよ、望美さん。貴方の顔はとても可愛らしくて…」
『貴方が』
「とても、好きですよ」





初めはギャグの予定だったなんて誰が信じるだろう弁慶×神子。
弁慶さんのおかげで、ずいぶんと話がずれてしまった。
初めはED後の夫婦話の予定だったのに…おかしい。
プロフィール

アサ

Author:アサ
二次創作を吐き出すブログ。
男同士や男女や女同士の恋愛を扱う物が多いです。
苦手な方はお気をつけ下さい。

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