旧サイトから。
うちの景譲はへたれ×男前が基本です。
ぐったりとベットに突っ伏した譲の脇で、景時がオロオロとしている。
「ごめんねぇ譲くん。大丈夫?」
心配そうに覗き込んでくる顔を精一杯の強さで睨みあげれば、景時はピッと背筋を伸ばした。
「……ん、で」
「え?」
声がかすれて上手く言葉が出なくて。言いたい事が伝わらない。それがもどかしい。
「なん、で、あやま、んです、か」
「なんでって…だって今君が苦しんでいるのは、オレが無理させちゃったからでしょ?」
トホホと俯いてしまう彼に、譲は上手く出ない言葉の変わりに、また視線を強めた。
「……ちが、ます」
「譲くん、無理して喋らない方が」
留めようとする景時の腕を掴む。
どう言えば伝わるだろう。どうすればわかってもらえるだろう。
景時のせいなどではない。
望んでいたのは、譲も同じだ。景時に触れられて、喜んだのは間違いなく自分なのだ。
ずっと思っていた先輩は、運命の相手を見つけた。傍にいた自分ではなく、彼女を支え導いた金の髪の鬼を、彼女は選んだ。
苦しくて哀しくてどうにかなってしまいそうだった自分を、その時抱きしめて支えてくれたのが、景時だった。
だから、景時に愛されているのだと知った時、本当に嬉しかったのだ。
こんな風に抱かれて、体に負担がかかっても…それ以上に、暖かな感情が胸に満ちる位には。
声がかすれて上手く出ないのがもどかしい。
上手く伝わらないのが、悔しい。
仕方なく譲は手を伸ばし、景時の腕を掴んで、
「譲くん!?」
驚き目を見開く彼に、初めて自分から口づけた。
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景譲で、凄い勢いで両思い。
つーか譲くん、景時さんにメロメロです。